菅内閣における女性の地位は?菅内閣における女性の地位は?(2020.09.03作成)
どうやら来年9月までは、菅官房長官が日本国内閣総理大臣を務めるようだ。
GoToトラベルキャンペーンから東京が外されたのも、この方の意向が働いたのだと思う。小池都知事は、政府のGoTo前倒しについて批判的な意見を皮肉っぽく述べていた。菅さんの逆鱗に触れた感じがする。東京都の感染者がどんどん増えていった7月中旬、菅長官は「東京問題だ」と冷たく言い放った。記者会見では、東京新聞の望月記者に対して「木花」の対応を繰り返している。
菅総理でほぼ決まり、ということでテレビも菅さんの人柄や苦労人であることを伝えている。秘書を務めた方々は「温かい人だ」とコメントしているので、(小池都知事や望月記者と違い)自分に牙をむかない人には「温かい」のだろう。当たり前だが。
二世三世政治家でなく、地方、しかも秋田県という決して豊かでないところの出身であることは魅力的だ。高卒で上京し、働いて大学進学の学費を稼いだところも、御曹司を絵に描いたような安倍さんや麻生さん(岸田さんや石破さんも)と対照的。
「ふるさと納税」は菅長官のアイディアだそうだが、過剰な返礼品競争はともかくとして、お金の流れを変える、知恵のある制度だ。自治体に競争原理を浸透させたのだ。また、ダム治水を所管する国土交通省、経済産業省、農林水産省等々利権の絡む複数の巨大官庁をまとめて、災害のリスクのある時にダムの放水が可能になるようにしたことは、大変な功績だろう。
「ニューズウイーク」最新号は、スタンフォード大学の研究者が安倍政権を絶賛するフォリンポリシーへの寄稿を掲載している。第二次安倍政権には常に菅官房長官がいたので、外交も「門前の小僧、経を習う」かもしれない。
菅長官の天敵、望月記者は女性、小池都知事も女性だ。安倍さんのウーマノミックスは、今やほとんど話題にも上らないし、「私人」でまともに働いたこともない安倍昭恵さんが、女性活躍についての講演を行うという奇妙な事象もあった。それでも、安倍チルドレンとして、稲田朋美さん、高市早苗さん、橋本聖子さんらが閣僚に抜擢されている。防衛大臣としての稲田さんは失敗、高市さんの泉佐野市つぶしに対しては、珍しく裁判所は法治国家である原則を示し、国は敗訴に追い込まれた。五輪が延期される前から、橋本五輪大臣は森元首相や小池都知事の影で存在感は薄かった。
菅チルドレンの中に女性はいるのだろうか?菅長官の覚えめでたい鈴木北海道知事や元菅議員秘書であった現職の横浜市議会議員たちも、若い男性政治家だ。ひょっとしたら、あの勉強嫌いで、思慮もなくスピリチュアルにはまる、勘違い昭恵さんをずっとかばい続けた安倍さんは、心底女性に優しいのかも知れない。この点は、菅さんはクリアに安倍路線とは一線を画しそうだ。 (了)