パブリック・ディプロマシー日本外交に望むこと

34年間の外交官生活を振り返って

小泉進次郎と滝川クリステルー首相候補と呼ばれる前にすることがある(2019.08.10 作成)

8月7日の官邸での囲み取材で発表された、将来の首相候補に上がる小泉進次郎氏とアナウンサーの滝川クリステルさんの結婚と妊娠。日本中が大騒ぎだ。

 

美男美女だと思う。女性は41歳で進次郎氏より3歳年上。出産の時は42歳だが、私より2歳若い高齢出産である。森永製菓の社長令嬢と結婚した安倍首相より、少し既定路線を外しているのはいい。昭恵さんは電通で働いていたそうだが、過労死するような激職ではなかったのだろう。キャリアを積んだ成熟女性を選んだところはあっぱれ。38歳とはフランスのマクロン大統領就任時の年齢だ。安倍さんも戦後の首相としては若い方なので、進次郎さんも早く自民党総裁、日本国首相になって欲しい、という人もたくさんいるのだろう。

 

こうなると小泉家も北朝鮮金王朝と変わらない。一応選挙と言う洗礼は受けているが、親の地盤を引き継いでいるのだから、小泉家の隆盛は自身の既得権益に直結、と考える有権者に支えられている。父親譲りの歯切れの良さ、と言われているが、純一郎首相のような狂気がなく、巧妙にポイントを外しているところは全く潔くない。安倍さんの対抗馬だった石破茂さんを支持したことを、事後的に発表したし、議員定数削減についても土壇場で逃げている。

 

父親の純一郎氏は若いころから変人扱いで、首相になるとは誰も期待していなかったのに対し、進次郎氏は当選した時から王道を歩んでいるところから、父親ほど荒唐無稽なことはできないのだろう。

 

それにしても関東学院大学からコロンビア大学大学院に入学できるとは!日本政治専攻のジェラルド・カーチス教授が日本国首相の息子を、成績や英語力には目をつぶって推薦入学させたのだろう。大学本部とカーチス教授はいくらもらったのかな?縁故入学の典型だ。前回のブログとの関連でいえば、コロンビア大学が私学だから実現したのだ。税金が入っている州立大学ならそうはいかない。

 

滝川さんは8日に婚姻届けを提出して、滝川姓から小泉姓に変えたのだろうか?選択的夫婦別姓自民党の主流派は生理的に反発している。進次郎氏が滝川姓になる訳がない。ここらあたりも、騒ぐ割には面白くもなんともない結婚だ。一見新鮮そうに見えて、実は旧来型という進次郎氏の面目躍如。「政治家小泉進次郎」「政治バカ」と大上段に構えても政策的には特別な実績はなく、令和結婚、オリンピックベビーも日本社会を変えるようなインパクトはなさそうだ。

 

敢えて言えば、兄の孝太郎氏が行っていたように小泉家にフランスの血が入ってくることだろうか?これはすでに宮澤喜一元首相の娘さんがアメリカ人と結婚していて、子どもはタレントの宮澤エマ。鳩山由紀夫元首相の弟故鳩山邦夫氏の夫人は高見エミリーというハーフだ。息子も議員らしいがぱっとしない。

 

純一郎氏は、三男を身ごもっている妻と離婚している。「いきいき」という雑誌が元妻宮本佳代子さんのインタビューを唯一掲載しているメディアだ青山学院大学滝クリと同じ!)4年生の時、お見合い結婚したそうだ。エスエス製薬創業者の孫とのことで、森永製菓社長の娘である昭恵さんと同じく「深窓の令嬢」。安倍晋三、昭恵夫妻は、どちらに原因があったのか不明だがお子さんに恵まれなかった。佳代子さんは男の子を二人も立て続けにもうけている。それでも、小泉家の嫁として及第点はもらえなかったのだろうか?滝クリが身ごもっているお子さんはすでに男子だとわかっているような気がする。

 

孝太郎、進次郎は兄弟ともにぱっちりした目なのは、細目の父親ではなく、母親の佳代子さんゆずりなのだろう。数少ない写真をみても美人である。離婚後、三男を出産し不動産業界に入る。インタビュー記事をうのみにしての感想だが、お嬢さん育ちで、当時は珍しかった離婚経験者、「出戻り」なんて失礼な言い方が普通に口に出される時代だ。三井系の不動産会社への就職は多分実家の後押しがあったからだろう。が、自分も働こうというところは偉い!三男はなかなか父親に会えなかったそうだ。

 

毀誉褒貶があり、功罪あい半ばの純一郎氏だが、あの郵政民営化にかけた狂気はただモノではなかった。冷酷に身重の妻と別れ、実の息子とも何十年も会わずに過ごせるところも、変人を通り越して狂気だ。山本太郎氏にも同じ狂気を感じる。が、若いころから天下を取ろうとコツコツ勉強し、財政再建規制緩和国鉄分割民営化、電電公社民営化、就任最初の外遊先が韓国、中国の胡耀邦氏との友情を大切にし、ロンヤス関係で日米の絆を深めた中曽根康弘首相は、狂気は表に出なかった。大勲位の息子も孫もぱっとしないが、進次郎氏に華があるのは間違いない。願わくは、社会保障でも農業でもとにかく実績を残すことが先決だ。そして、日本国首相として避けては通れない「歴史認識問題」についての見識を表明しないことには、将来の首相候補の名に値しない。