パブリック・ディプロマシー日本外交に望むこと

34年間の外交官生活を振り返って

小室眞子さん「言(ゆ)うたった!」会見―こじらせ女子からは晴れ着の方から逃げていく

10月26日午後2時、婚姻届け提出後の小室夫妻の記者会見。12分ほど思いの丈を滔々と述べていた。小室圭氏の発言は付けたし。

 

要旨

「誤った情報が事実であるかのように」、「謂れのない物語が広まる」ことが嫌だった

 

金銭トラブルは紛れもない事実

言いたいことも言えなかった数年だが、金銭トラブルがあるのは事実で、会見で小室さん自身が「解決金」に言及している。誤った情報では全くない。

 

お姫様らしくない敵対的対応が同情や祝意を減退させた

マスコミに好き勝手を書かれる立場の人にとり、限られた機会に思いの丈を吐露したいのは、痛いほどわかる。が、金銭問題が報じられ、結婚が延期されて以来最初で最後の機会に、自分たちにとって必ずしも好意的でないマスコミ、多数の無名の人々にこれだけ挑戦的に出てしまっては、同情も祝意も引いていく。

 

借金であろうが、贈与であろうが、小室家に元婚約者の金銭が流れ、どんぶりの財布の中で、小室氏の学資も使途の一部になったことは否定できない。贈与だとしても、贈与税の支払いが随分遅れ、金銭を受けた年度ではなく、報道合戦が始まって以降になったことは小室氏が認めている。

 

眞子さんの問題解決能力の低さを露呈

元婚約者に対しては、小室母息子、眞子さんそれぞれの思いはあるのだろう。「返してもらわなくてもいい」と言ったのに、今更何を!?が、元婚約者との問題対応の方向性を主導したのが眞子さんなら、自身の問題解決能力を過大評価してしまったようだ。

 

元婚約者代理人の週刊誌記者に問題を解決するインセンティブはない

原則やメンツにこだわるあまり、元婚約者の複雑な思いを想像できなかった。この元婚約者もコジらせ男性っぽいが、その背後の週刊誌記者は、問題がこじれればこじれるほど自分の「元婚約者の代理人」としての存在意義が高まり、代理人として動く期間も長くなる上に、記事の材料も集まる。早期解決なんかしたくもない。

 

百戦錬磨の週刊誌記者と同じ土俵に上がって、稚拙な戦いを挑んだのはお姫様

もっと丸く収める方法はあったのかも知れない。私が好きなサスペンス、刑事ものでは、必ず恐喝の額をつり上げる輩が出てくる。解決金を払ったところで、その内実を暴露すると脅して更に解決金の額を引き上げる。B級ドラマではここで殺人事件となるのだが、現実、まして皇族ではそうはならない。

 

不特定多数相手にケンカを売ってしまった

眞子さんは、小室家側の言い分に肩入れし過ぎ、かたくなに意地を張り、原則論に固執し、そこを代理人週刊誌記者に弄ばれ、皇室の危機を招いた。日本国憲法の第一章は「天皇」。その地位は「国民の総意」に基づく。結婚=皇族離脱記者会見で、不特定多数相手にケンカを売ったお姫様の罪は深い。

 

美智子様は謂れなき誹謗中傷の中で敬愛される「国母」に成長されたのに

上皇后もひどい誹謗中傷に晒され、声を失われた時期があった。小室家の金銭問題のような明らかな事実もない中で、それこそ憶測記事だったと思う。それでも、当時の皇后は「どんな批判も、自分を顧みるよすがとして」という、謙虚だが、毅然とした言葉を述べられた。

 

天皇の「人間宣言」がそれほど遠くない時期に皇室に嫁がれた美智子様は、覚悟をもって塗炭の苦しみの中で「国母」に成長されたのだ。上皇は退位の際、涙ぐみながら美智子様の努力と献身をねぎらわれた。私はもらい泣きした国民のひとりだ。

 

「品格」の違いを確信するから敬愛する。同程度の人間に「陛下」「殿下」「様」なんて敬称をつける気にはなれない

親ガチャでたまたま皇族に生まれた眞子さんと、皇室に嫁いだ祖母美智子様では時代も年齢も経験も違い、そして「格」は決定的に違ってしまった。「言いたいことは言わしてもらいまっせ、汝臣民め」会見は大失敗。これから成長することもなく、甘言で近づいてくる輩に取り巻かれる恐れ大。

 

公務員の雇われ宮内庁長官には手に負えない

これだけ将来の夫の留学、就活、その母親の金銭トラブルにも主導権を発揮してこじらせてきたお姫様は、宮内庁の雇われ長官にはアンタッチャブル。保身第一、任期も数年の役人が手出しできる相手ではなかった。

 

十二単衣、ウエイディングドレスの方から、このこじらせ女子から逃げて行った

こじらせ女子が払った代償は、花嫁が最も輝く結婚式もなく、持参金もなく、結婚の日のケンカ会見。

 

悠仁さんがタイの現国王のようにならない保証はない

眞子さんがケンカっ早い人であることはわかった。が、今や一民間人に過ぎない。その弟で、皇位継承順位第二位、おそらく次ぎの天皇になる15歳の悠仁さんが、同じように聞く耳を持たないわがまま人間だったら、タイの国王みたいになる恐れがある。困ったちゃん国王は、ほとんどドイツで生活しているらしいが、悠仁さんも姉同様「海外に拠点を」と目論むかもしれない。天皇制の危機は内部から生じる。国民は、ほころびに反応しているだけなのだ。

 

母にも妻にも頭が上がりそうにない小室圭氏

前回エントリーに書いた通り、眞子さんは強い女性だ。一貫してこの結婚を主導してきたことを自ら告白した。もともと「格差婚」だったが、小室さん側は更に母親の各種疑惑もあり、一生眞子さんに頭は上がらない。米国法弁護士は元々自身の志望だったのだろうが、留学を前倒ししてくれと頼んだのは眞子さん。

 

幼少時からバイオリンやピアノを習わせ、親が英語のネイティブでもないのに、中学からインターナショナルスクール。小室母はお金を無心する能力同様、教育ママとしても大変優秀だが、多分小室氏は、親の言うこと、結婚したい相手の願うことに懸命に取り組むタイプなのだろう。

 

何と弁明しようと、これまでは「プリンセスの婚約者」、これからは「元プリンセスの夫」の立場を1000%利用するタイプにみえるが、恐妻家になるのは明々白々。ま、自分で選んだ道。

 

                        (今回はここまで)