パブリック・ディプロマシー日本外交に望むこと

34年間の外交官生活を振り返って

麻生大臣の悪相ー朝ドラと大谷翔平でリフレッシュしよう(2019.06.14作成)

「老後に備え年金以外に2000万円必要」が独り歩きして、麻生太郎副総理兼財政金融担当大臣はふてくされている。この人がふてくされるのは今に始まったことではない。昨年の財務事務次官のセクハラ事件の時も、「セクハラという犯罪はない」などとうそぶいていた。例によって口をゆがめて。

 

2000万円赤字が独り歩きしてしまった金融庁審議会の報告書を大臣は受け取らないと言う。加えて部下の役人批判だ。報告書は(漢字が読めないから?)読んでもいないし、年金制度についての知識もなく「任せた」から俺は関係ない、とのこと。凄いなあ。小泉総理も「人生いろいろ」「どこが戦闘地域か私に聞かれたってわからない」とかあっけらかんと言い放ったが、小泉さんは悪相ではなかった。

 

麻生大臣は歳を取るにつれ、ますます悪相になってくる。

もう30年以上も前、外務省の有力課長が、有力若手政治家の麻生議員と食事の席をともにするというので、同伴させられたことがある。若い女性官僚はこんなことにも使われるのだ。多分若い女性記者も。遅れて予約してあった個室に現れた麻生議員は、私の存在を見るや「引いた」。「女がいると気楽に話ができない」という考えの人が思わず示す反応だ。食事中ずっと私の存在を居心地悪く感じている様子が明らかだった。

 

よく覚えていないが、その頃から口は歪んでいたのかもしれない。鮮明に記憶に蘇るのは、高価なのかどうか知らないが、光るスーツを着ておられたことだ。細い小さい人だった。外務省の課長の方が、押し出しもよく堂々としていた。

 

悪相の人を見ると気分が悪くなる。トランプ大統領金正恩。次期英国首相かもしれないボサボサ金髪頭のボリス・ジョンソン、女性のマリー・ルペンも悪相だ。安倍総理は幸いにしてそれほど悪相ではない。

 

歳を重ねて肌の張りは失われても渋みが加わる人もいる。金正恩ボリス・ジョンソンと、小泉進次郎議員はそれほど歳も違わない。若くても醜いものは醜い。進次郎さん、亡くなったある代議士が「永田町、ジェラシックパーク、嫉妬タウン」と評した政界にあって、このままさわやかに歳を重ねていって欲しいな。先日滞在した京都では、地元の伊吹文明氏や前原誠司のポスターが貼ってあった。民主党のプリンスだった前原さんは、もともと造作が整っていることが幸いしてか、ポスターの顔は相変わらずさわやかだった。党首も外務大臣もやっても苦労の跡がない。「言うだけ番長」だからだろうか?

 

円安誘導、何故アメリカ車は日本で売れないと今と同じことを吠えていたトランプさんも、若いころはイケメンだった。歳を重ねて益々見苦しくなってきた。こういうトランプ大統領や麻生大臣の顔にへきえきしたらNHKの朝ドラ「なつぞら」を見よう。北海道が舞台だったころは、山田祐貴、工藤阿須加、吉川亮という20代の若手はもちろん、60代の草刈正雄、40代の藤木直人が実質13分ほどの間にズラリと出演していて、ヤフーニュースは「イケメン渋滞中」と表現していた。

 

ヒロイン広瀬すずが上京してきて、兄の岡田将生の出番が増えたが、チャラいし、視聴者の涙腺を緩めるような話もない上に草刈正雄の登場場面が減ってしまった。ウエストサイド物語のジョージ・チャキリスを彷彿させるいかにもガイジン顔の草刈正雄が、日本のドラマ、特に時代劇の重みのある役で視聴者を感動させているのは素敵だ。父は米兵の母子家庭で育ち、新聞配達もしていたという。ずば抜けた容姿でスカウトされたのだろうが、ハーフのモデルは、歳をとれば使い捨てされる。演技も磨いたのだろう。

 

名前が同じ金正男氏は暗殺の首謀者とされる弟の正恩同様、人間はこれほど醜くなれるものだろうか、と感心させられた。不細工な男性が権力を握っている国は、民主的でなく、多数の女性が虐げられ非力である。朝ドラがこれだけイケメンをそろえるのは、視聴者のほとんどが女性で、気に入らないとチャンネルを変えるからだ。日本女性も力がある局面もある

 

極貧育ちの草刈正雄が66歳になってもなお美貌を誇っているのに、麻生さんはどうだ。大金持ちで、学習院大卒のエリート政治家。若いころは顔の造作も、それなりにこじんまりと整っていた。学歴のないダミ声の田中角栄首相の方が顔はずっと魅力的に見える。問題が起きても部下の官僚に責任を押し付けたりしなかったと言われている。度量の大きさに加え、田中さんはどんどん大きくなっていくパイをどうやって分けるか、という夢のある時代の政治家だったからだろうか?少子高齢化、中国、韓国の台頭で疲弊し、縮小する日本経済のように麻生さんの顔は萎びてきた。そのくせ言うことだけはエバっている

 

朝ドラに飽き、麻生さんの顔に辟易したら、大谷翔平選手の活躍をみよう。今日はサイクルヒットのニュースだ。1試合でホームラン、2塁打、3塁打、そしてヒットを打った。髪は染めず黒いまま。愛嬌のある下がり眉も整えていない。不摂生の対局にある生活をしていると思われるきれいな肌。足も速いので三塁打になったという。エンゼルスの監督も、まだ24歳で米国生活2年目なのによく適応している、と言っていた。凄いなあ。岩手県出身。人口減とはいえまだまだ1億2千7百万人もいる日本人。たくさんの逸材が地方にもいるはずだ。                 (了)