パブリック・ディプロマシー日本外交に望むこと

34年間の外交官生活を振り返って

「相棒」第19話 漂流少年~月本幸子の旅立ちと「アポ電」(2019.03.17作成)

捜査もの、刑事もの、推理もののテレビ番組が大好きである。

殺人、逮捕が伴うドラマで、自分の知らない世界を垣間見る楽しみがある。2時間ものの温泉女将、葬儀屋とか法医学教室とかは、殺人の動機が嫉妬や母の子を想う思いとか、ちょっとクサい感じがする。が、スポーツ番組かバラエティ番組しかなければ、少々くさくても事件ものを見る。

 

「相棒」は1時間番組で、クサい話もあるが、犯人の大金持ちの豪邸や別荘が出てくることも多いのでインテリア好きにはおもしろい。ロケをしているのだから、豪壮な邸宅が実際にあるのだろう。この日本に!

 

先週の「相棒」は、前週からの続きだったが、オレオレ詐欺振り込め詐欺の受け子を集める胴元のことが取り上げられていた。親に見捨てられ、高校も中退した少年に寄り添うようなふりをして受け子のなり手を物色する。他の刑事ものでも、恵まれない若い人を救うふりをして政治家進出をめざすNPO法人代表(速水もこみち)が登場したこともある。

 

説得力がある。「中卒」では就ける職業は限られてるぞ、一生底辺生活だぞ、言うことを聞けば大金を稼げるぞ、とそそのかされる。私は大学で学生に「社会リテラシー」を身に着けることを目的として講義を担当している。こういう少年たちには、騙されないように学ぶ機会もないのだろう。

 

「アポ電」で現金が家においてあるか確認し、高齢者の家に押し入り、殺害した容疑で男3人が逮捕された。27歳の格闘家で土木作業員と22歳の長野県の同郷二人。銀行振り込みの取り締まりが厳しくなり、組織の幹部は受け子に現金を実際に受け取らせる路線に変更した、そうだ。

 

こういう事件が報道される中での「相棒」は、鈴木杏樹演じる薄幸な女性(夫を殺した男の愛人にならざるを得なくなり、収監もされた)が、受け子の少年を救おうと命をかけ、小料理屋の女将をやめて、ついていない少年たちを救うプロになる決意をする話だった。

 

この番組では少年をかくまう人情溢れる古道具屋も登場する。市原悦子さんの遺作となった「しゃぼん玉」は、だらしない親に捨てられ、ひったくりを繰り返す若者の更生を描いている。市原さんと頑固おやじが愛情深く若者に接するからこその更生物語だ。そういう人に会えなかったら落ちるしかないのだろうか。

 

数年前に高倉健さんが亡くなったとき、この俳優さんがやくざ者、犯罪者を演じる若いころの映画を何本も一気に観た。任侠物は戦前、網走番外地は戦後が舞台だったが、恵まれない環境に育った若者の一部は、やくざの世界に身を置かざるを得なかったことがわかる。日本社会は格段に豊かになったが、いつの時代も恵まれない子たちはいるのだ。ベーシックインカムが支給されたら解決するのだろうか?

 

お金だけではなく、下心をもって寄り添う「フリ」をする人物ではなく、心底寄り添って、自分を信頼してくれる人がいるかどうかが決めてのように思う。  (了)

舛添都知事は自分が無様だと感じないのか?(2016.06.14作成)

いよいよ自民党も辞任を迫り、都知事への不信任決議を野党と一本化するとの報。

 

数々のセコい行いのオンパレードだが、中小企業のオヤジもサラリーマンもみんなやっている、と弁護する朝日新聞社勤務の女性記者に会った。この人は「舛添さん、お金ないのよ」と別の観点からも同情していた。舛添さん同様、情けない記者だ。

 

みんながやっているから、「トップリーダー」もやっていいのか?お金がないから、ちょろまかして私的流用してもいいのか?オレオレ詐欺のニイさんたちも、自己弁護に使いたくなる不思議な論理だ。

 

すべての人が聖人君子ではない。「1000円拾って、警察に届ける」と言う人も少ないだろう。これぐらいはいいか、という基準は各人違うだろうが、舛添さんの場合は、度が過ぎている。加えて、書道の際、東日本大震災の翌日(福島原発事故で、日本中から外国人が逃げ出し始める頃)に中国の空港で買ったという数万円の中国服が滑りが良いから書きやすい、という漫画のような論理を元検事が説得力があると力説。

 

文字通りのトップリーダーには毀誉褒貶がつきもの。舛添氏の二代前の石原都知事は、最近田中角栄元首相について「天才」という本を書いている。白馬村のような雪深いところで事業をやると、冬の厳しい生活環境から、日銭を稼ぐため都会に出稼ぎに単身で出かけていった人々の苦労が、ほんの少しだけ想像できる。田中角栄は、雪深い地に生まれ育った人にも、都会に生まれた人と同じように機動的になれるよう、列島改造を試みた。ロッキード事件の何億円授受は犯罪だが、良いことも悪いこともしたのだ。善も悪もスケールが大きい。

 

石原都知事ディーゼル車を忌み嫌い、独立国の航空機が横田基地のために迂回しなければならない理不尽を訴えた。芸術好きな作家石原慎太郎は都内でのストリートパーフォーマンスを可能にした。同じ芸術好きでも、美術館巡り三昧、N響鑑賞に公用車、ヤフオクで美術品落札、というのもミジメな対比だ。

 

悪いことはしない方がいいが、悪事をも凌駕する良いことを歴史に残すのがトップリーダーではないか。舛添さんは、就任後の2年間で何を成し遂げたのか?公約の一部でも達成したのか?日本ネスレの社長さんは、家系が早死になので、自分には時間がないと、いつまでに何を達成すると、わざと自らを切羽詰まらせて事業計画を進めてきたそうだ。

 

こちらも毀誉褒貶の激しい人だが、橋下前大阪市長は任期中、全速力で駆け抜け、僅差で大阪都構想の夢破れて辞任した。金銭的にセコい話が山積みで辞任に追い込まれる(逆切れして都議会を解散するかも知れないそうだ)よりは、さっそうとして気持ちがいい。

 

セコい話はともかく、リオで旗を受け取る以外に9月までに自分は何がしたいのか明言すべきだ。3か月でも1年の4分の1、その気になれば条例を何本も通せる。自分の残りの任期だけに限らず、後任の都知事についても、報酬を減額し、公用車の使用規定を細かく明記し、ファーストクラス、ビジネスクラスの利用細目も決め、退職金をドーンと減らす条例を通す、と見得を張り、そして実現すれば、これまでの無様さは、相当挽回できるのに。リオで旗を受け取りたい、とは運動会の生徒代表レベルだ。セレモニーだけが命、という外交官をさんざん見てきた自分には、滑稽でたまらない。国際政治学者もセレモニーが大好きなのかな?              (了)

小池百合子都知事の誕生(2016.08.01作成)

ぶっちぎりの勝利。7月31日午後8時の投票締め切り直後に「当選確実」。あっぱれ!

 

小池候補と増田候補の違いは、起業家と雇われ社長の違い。本気度としがらみのなさが歴然としていた。

 

もちろん、弁舌のうまさも素晴らしく、敵失も幸いした。「厚化粧の大年増」なんて言う人が、ついこの間まで東京都知事だったのだ。ジャンヌ・ダルクはもっと若いという迷言を発する自民党幹部もいて、敗色濃くなると貧すれば鈍する。同じ自民党でも笹川元総務会長は、石原元都知事や女性の年齢がまず気になる深谷東京都連最高顧問と同年代、小池候補を応援した東京地検検事出身の若狭勝議員も男性だ。男性だから、年配だからと十羽ひとからげにしてはいけないのだろう。

 

女性として学ぶべきことがある。17日間の選挙期間中も、前都知事の辞任がちらつき始めて以来のメディア露出の期間中も、ビシッとメイクをし、髪もきちんとセットされていた。浴衣姿もあでやかで、百合子グリーンを使ったファッションはさりげなく上品で、勝負服というとど派手な原色の服で登場する他の女性政治家とは違っていた。当確が出たときのジャケットもベージュ。師と仰ぐ小泉元首相のファッションアドバイザーは実のお姉さんだというが、小池さんにも、センスのいいファッションアドバイザーが、選挙参謀SNSを使った戦略家と同様に、そろっているのだろう。そういう人を集められるのも、ご本人の力量だ

 

電柱地中化待機児童問題をも念頭に入れた空き家対策、スモーク・フリーの東京オリンピックパラリンピック実現で力を発揮してほしい。環境大臣時代のクールビズ導入は、お金を使っていない、考え方を変えただけだ、とご本人もおっしゃっていたが、男性はとかく事業予算拡大こそ自らのパワーの証と考えるところがある。制度を変えることによって、人々の行動を変える、という智恵のある政策は大歓迎。東京は部分的にはニューヨーク、ロンドン、パリ以上の魅力をすでに持っている。世界のお金が集まる町にして、それを上手に売り出してほしい。

 

発信力と華の双方を持った女性都知事誕生は、女性の活用を成長戦略に組み入れたいとしている安倍政権にとっても朗報のはずだ。

                             (了)

 

6月26日中部大学講義【外務省とは?】 【外交官の仕事】(2017.06.26作成)

2017年6月26日、中部大学における講義メモに加筆

 

「外務省設置法」という法律の第三条に任務、第四条第一項に29に及ぶ事務が列挙されている。29の具体的な事務は下記の同法を開いて参照してもらうとして、「任務」の条項を引用する。

http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H11/H11HO094.html

 

(任務)

第三条  外務省は、平和で安全な国際社会の維持に寄与するとともに主体的かつ積極的な取組を通じて良好な国際環境の整備を図ること並びに調和ある対外関係を維持し発展させつつ、国際社会における日本国及び日本国民の利益の増進を図ることを任務とする。

  前項に定めるもののほか、外務省は、同項の任務に関連する特定の内閣の重要政策に関する内閣の事務を助けることを任務とする。

  外務省は、前項の任務を遂行するに当たり、内閣官房を助けるものとする。

 

目的:第1項をざっくりまとめると、次の2つ

平和・安全保障

日本国、日本国民の利益の増進

 

組織:この任務を遂行する組織として、次の2つがある

外務本省(国内)

在外公館 (海外にある大使館、領事館、国際機関への政府代表部)

ポイント:国内か海外か?

 

ヒト:組織を構成するヒトとして、本省職員は次の二つ

トップの大臣、副大臣政務官のように政治任命された幹部

役人(公務員)

 

ポイント: 政治家か役人か?

 

公務員の内訳も次の二つ

入省時から外務省に帰属する公務員

一時的に外務省に配属されていた者(出向者)

 

ポイント:入省時からの外務省員か、一時的に外務省に派遣されているか?

 

出向者も次のカテゴリー分けが可能

他省庁からの国家公務員

官民交流による企業関係者

学者、研究者、弁護士、会計士等専門性のある人材

関連団体(国際協力事業団国際交流基金等)派遣職員

自治体との交流による地方公共団体出身者(地方公務員)

 

ポイント: 外務省には、色々な背景の者がいる→異なる経験、背景の者の視点は国民全体の利益増進のためには大切、ただし、日本国全体の利益よりも、出身組織の利益ばかりに関心が向かう職員ばかりだと、日本国が一丸となって力を発揮できない弊害もある

 

在外公館(大使館、領事館、政府代表部)に勤務する者は次のに二つに分類できる

本省派遣

現地採用の日本人、外国人

 

ポイント:本省派遣か現地採用か?(企業の現地法人にも本社派遣社員現地採用の者がいるのと同じ)

 

本省から派遣されている者の分類

入省時からの外務省員

他省庁(中央省庁および地方公共団体)から一時的に外務省員となり、原則3年の任期を終えると元の省庁に戻るもの

関連団体派遣の準公務員、学者、研究者

ポイント:大使館員すべてが外務省出身とは限らない(領事館、日本政府代表部も同じ)

 

公務員の分類(試験制度)

政策面で大臣等を支える事務次官をトップとするキャリア官僚

キャリア官僚とともに大臣等を支えるノン・キャリア官僚

本省や在外公館の建物の維持管理、事務に必要な文房具、空調、インターネット環境整備等、事務を遂行する上で必要な足腰を支える職員(大事な仕事だが、外交活動を行うわけではない)

 

ポイント:大学にも教授、准教授、講師という教育・研究に携わる者と大学の事務職員がいるのと同じ

 

ここで一言

足腰となる職員も在外公館に勤務するが、外国語ができるとは限らない

在外公館に派遣される外務省以外の省庁出身者も外国語ができるとは限らない

外務省員も、自分自分の専門語学(ちゅ中国語やアラビア語、ドイツ語、フランス語等)は使えても、英語では仕事ができない者ももいるの

 

ポイント:世界中で英語で仕事を遂行することも可能な英語圏の国(米国、英国、オーストラリア、カナダ等)の外交官、在外公館職員と比べて、日本の在外公館職員は言葉のハンディを負っている者が多い→英語が大切

 

仕事の中身

政策に関係するもの

交渉事(バイー二国間(日本と相手国だけ)、マルチー多くの国を同時に相手にする)

ーーーーーーーーーー

文化行事

セレモニー

市役所、区役所的な仕事(旅券、査証発給、証明書発給)

経費に関すること

 

このうち、政策や交渉に関する仕事は、智恵と工夫となんとか自分の任期中に結果を出そうという気力が求められる

また、どのような仕事をするにも、人件費をはじめ必ずお金が必要となるが、政府の仕事にもお金の使い方を工夫する(コスパが高い)ように促し、経費を節約すれば評価される制度が必要

 

最後に一言

大臣や幹部は、外交官の仕事は、出身母体が何であれ「日本国民の生命・財産を守ること」だと繰り返し職員に伝え、自分自身にも言い聞かせなければならない。残念ながら、青臭いと思われることも繰り返し伝えないと、いい年をした大人も自分の生活防衛を優先する方向に走りがちとなる。           (了)

 

 

議員の個人商店?―豊田真由子議員(2017.06.29作成)

2017年6月29日、「週刊新潮」に豊田議員の元秘書に対する暴言録音音声が公表された。

 

「死ねば?生きてる価値ないだろ、お前とか!」

 

テレビのコメンテーターは、「議員事務所は議員の個人商店だから、商店主の言うがまま」という趣旨の発言をしていた。

 

役人を経て個人事業主となった者として言いたい。個人事業主は自分で稼いで、雇った人に給与を支払っている。自身の生活費も、自分が稼がなければ日々の生活にすら困窮する。議員は事務所経費も秘書の給与も、もちろん自分の報酬も種々の名目の税金で賄っている。一緒にしないで欲しい。

 

現役最後の大使館勤務時代のことである。大使の奥さんが、宝塚歌劇団所属の長女の公演のためステージママとして日本に帰国するたび、大使は出勤せず、大使公邸で知的障害のある次女の世話をしていた。世界一時間給の高い介護職だ。大使が出勤してくれないと困ることは多々ある。その大使の判断が重要だからではない。大使は日々変化する世界情勢を踏まえた本省の方針を頭に入れておくのは当然だ。その情報は、大使館に物理的に出勤しないと把握できないのだ。勉強しない大使のために、部下が情報をプリントアウトして、重要部分に下線やハイライトをつけて、大使公邸まで届けなければならない。

 

大阪船場のあほぼんが老舗の当主となり、遊びまくって散在するのを番頭以下が苦労して支える、というのは山崎豊子花登筺の小説にありそうだが、税金で禄を食む現代の役人世界では看過できない。

 

知的障害を抱えたお子さんが心配なのは当然だろう。が、大使が守るべき普通の日本国民は、障害のある子どもの世話や老親の介護を、人を雇うなり、自ら世話をするため離職するなりしてなんとかしのいでいるのだ。

 

こういう大使のもとで苦労していた時、ある同僚はこう助言した。「大使は中小企業のオヤジなんだから」

「議員事務所は個人商店」と同じ論法で、「大使館は中小企業」で「そのオヤジは何をやっても目をつぶれ」というわけか?大使が自分の知恵と才覚でお金を稼いで収益を上げて、大使館員の給与を支払い、大使館の建物や自分や家族の住む大使公邸の賃料や維持費を支払っているとでも言うのだろうか?稼がなければ明日のない中小企業のオヤジに失礼だ。

 

それこそ「ち~が~う~だ~ろ!」

 

豊田議員の母親は東京外大出身だという。このお母さん、自分を配偶者だと娘が強弁して園遊会に一緒に参列したから共犯である。「配偶者に限る」という規則を盾にとる宮内庁職員に対し、ごり押しする娘を諫め、参列を辞退することもできた。たとえ、天皇皇后陛下のために一世一代の晴れ着でめかしこんできたとしても。娘が国会議員でも、親はいつでも娘を諭すことはできる。雇われた秘書ではないのだから。

                         (了)

7月26日中部大学講義「グローバリゼーションと日本の若者の未来」(2017.07.29作成)

 

世界の中で日本の置かれた状況

過去、現在比較

日本の経済規模(購買力平価、現在):世界の3.7%(1991年は9%―過去との比較)

全盛期の半分にも及ばない、その間アメリカの経済規模は日本の経済規模の3倍に(人口も2億人から3.1億人)

データにあたる習慣をつける

出典:World Economic Outlook IMF が、英語の原典にあたっての検索は大変難しい

将来研究者、論文、著書発表の場合:自分で一時情報を探す習慣は重要

が、時間を節約するために、ある程度信頼をおける人、団体が編集した日本語の資料を参照するのは時間の節約(資料、統計チェックが嫌にならないために)

なお、IMFのデータも各国から提供された資料を編集している

日本の購買力平価(各国の物価指数を考慮)で世界第四位【中国、アメリカ、インド、日本】

市民一人あたりの生活水準はアジアで5位 (世界で29位)

アジアの富裕国(地域)シンガポールブルネイ、香港、台湾 (2017年には韓国にも抜かれそう)(注)中国は台湾を自国の一部地域としている

成長率(将来):内閣府「国民経済計算」1991-2012 0.9% 2010-14 1.2%

2008 -3.7% 2015 1.5%

他国との比較-横の比較

軍事力:軍事予算世界9位(1%前後) (米国:GDPの3%から4%へ)

 

海外のことを知ると、日本の制度改革の参考になる、ただ、海外のことを知る必要があるのは国際学科に限らない→国際学科出身である付加価値を示す

 

課題

再び世界第二の経済大国になりたいのか?

どのような国にしたいのか?――皆さん方若い人が考え、それを実現してくれる政治家を選ぶこと

その将来像に応じ、課題が違ってくる→対策も異なってくる

国民一人ひとりの経済的、精神的生活が豊かで安定してほしい(犯罪率、民度等に影響)

高度成長を遂げ、成熟経済となった

・生産性をあげること

・これまで力をいれてこなかった分野で外貨を稼ぐ:農業、食品加工、観光、

1.経済社会情勢

少子高齢化 

国の借金 正しい借金(良い借金、悪い借金)返済のメドがあるか?借金をして投資として高いリターンが望めるか?

北海道夕張村→村長、公務員、議員の報酬減、行政サービス減、長野県王滝村→議会廃止

例:スイスの議員は無報酬(海外の例を知ることも参考になる)民主主義の多様なあり方

デフレからの脱却 賃金(給料)、人件費、労働市場

2.国際関係

テロの相手(日本での過去のテロ事件:地下鉄サリン連合赤軍、英国の場合:以前は北アイルランド→ISまたは国内の英国籍のテロリスト)

周辺国(中国、ロシア、北朝鮮)は19世紀の論理で動いている難しい国々→彼らの方が軍事力、経済力で強ければ、その意向に従わざるを得なくなる

 

未来への指針

国も個人も、変わることは悪いことではない 変節、朝令暮改、君子豹変する

強いから生き残ったのではなく、変化に適応してきたから―ガラパゴス ガラケー

任天堂花札)→NINTENDO

ユニクロ(繊維産業=斜陽産業と言われていたが) 東レ

 

1.大学入学→就職を考えるにあたって

労働市場での競争相手は日本人だけではなく、また人間だけではない AI、ロボット

日本が得意とする産業、技術も変遷していく→名古屋地域といえば自動車産業

が、米国では自動運転車(テスラモーターズ)が現実のものとなり、ヨーロッパは2040年までにガソリン車、ディーゼル車の生産終了を目指す

大学も国際競争にさらされている。大学の講義もAI?海外の有名教授の講義もネットでフォローできる時代、海外の大学の学位も遠隔授業で取得可能

 

日本市場は縮小(国内の消費者が減っていくのは確実)→同じ生活水準を維持する=同じ付加価値(output)を創りだしていくには、生産性を上げ、海外に活路を見出さざるを得ない

(以前から資源のない日本は、輸出で外貨を稼がねばと言われていたが、今も同じ)

雇用者は日本企業とは限らない。アジア1豊かなシンガポールは、海外からの投資(税、英語、銀行秘密、会社設立の容易さ等)で豊かさを実現→上司、同僚、部下が外国人であることも、多文化共生―理想と現実は違う(自国民、家族、お友達優遇等)

日本は外国資本にとっては魅力的な投資先か?英語、規制、税率

日本に残る分野:インフラサービス(電力、水道、ガス、道路、鉄道)だが、日本人が雇われるとは限らない。日本人が建設、補修整備するとは限らない(ロボット、AI?)

就職人気企業は過去、現在、未来で入れ替わる

正社員?東芝、シャープ

公務員人気:中央、地方政府は補助金、予算でサービスを提供し、コスト無視し、収益をあげてはいけない→人生100年時代に公務員として長年生活すると、現実世界が見えなくなる

自分の適性、興味のあること、得意分野にいつ気づくか?

成長分野:食品、農産物輸出、観光

経常収支=貿易収支(モノの輸出入)+所得収支(投資など)+サービス収支(海外旅行など)+「経常収支移転」(他国への経済援助)

英語、会計(平たく言うと財布のこと)、法律(リーガルマインドを身に着ける)

 

2.投票に行こう

オーストラリアでは、投票は権利であると同時に義務

民主主義の古参国英国では在外投票制度なし

事前予想に対しどのような行動をするか?

(1)棄権しても、(2)投票所に行き白紙投票しても、(3)事前予想通り投票しても、いずれも事前予想通りになる→事前予想通りが嫌なら投票所に行き、別の名前(党)を書いて投票するしかない

「まともでない人の中から相対的にマシな人を選ぶ忍耐を選挙と呼ぶ」チャーチル

(注)世の中完璧な英雄はいないー過去の英雄は美化されている(坂本龍馬)が、生存中の指導者は毀誉褒貶あり(生前のスティーブ・ジョブズ

 

 

効果測定

  • 日本より購買力平価ベースで経済規模の大きい国を三つ挙げよ。
  • 日本からの輸出が多い国(地域)上位3国を輸出額の多い順に次の中から選んで並べよ。

英国、韓国、ドイツ、米国、フランス、台湾、イタリア、中国、

  • 選挙の事前予想に賛同できなかったらどうする?

棄権する、投票所に行き白紙投票する、投票所で予想とは違う投票をする

                          (了)

 

京都の伝統文化を担うのは誰か?(2018.02.03作成)

2月2日、東京で京都市長がレセプションを開催、縁あって顔を出してみた。

 

京都のお酒やビーフ京野菜等の食材の紹介や舞妓のあいさつや東映剣劇もあって、盛りだくさんの豪華なイベントだった。

 

が、ざっと名刺交換した出席者たちの顔ぶれは、京都のお茶屋文化や西陣の衣料を引き立ててくれそうな方々に見えなかった。

 

まず、各国大使、大使館員たち。箔がつくので各国大使を招待したがる主催者は多い。が、先進国出身の外交官ならただの公務員。お金はない。米国のように政治任用が当たり前の国の大使なら、選挙で大統領候補に多額の資金を提供した、大統領に近い実業家や有力者もいるが、多くの国の外交官は本国に基盤のない公務員。大使ともなれば、次の就職先に頭を悩ます高齢者である。人のお金をあてにすることはあるが、自分の裁量で出せる資金があるわけでもない。自身の外交官生活の終盤、各国大使主催の国祭日レセプションに顔を出すと、政府だけでは立派な食事を提供できないらしく、民間企業の支援を得て面目を保っている例もあった。自国の民間企業の宣伝も兼ねていたのだろう。民主主義国家の政府は、お金がないのが当たりまえ。税金で維持されているのだから。

 

京都市長は、外国の総領事館を京都に設置してほしい、と述べていたが、京都にある国の出身者が多ければ、自国民保護のためにその国の総領事館設置の話も出てくる。まずは、京都に外国企業の誘致をして駐在員を増やすことだ。米国の州知事や議員は、日本企業に限らず外国企業の誘致に熱心で、大型投資案件誘致、それに伴う雇用創出こそ州知事、州議会議員の手柄である。外国の総領事館があれば箔がつく、と思うところが、お公家文化が長らく息づいていた京都らしい、というところか。商人(アマゾンとか)や職人(スマホのアプリはモノづくりだろう)が出てこないとお金は落ちない。

 

美味しい食事が供されるレセプションの常で、タダ飯、タダ酒目当ての招待客も多く、私が話し込んでいたテーブルの斜め向かいには、70歳は明らかに超えていると思しき女性が、黒い帽子をかぶったまま、文字通りひたすら「食いまくっていた」!いくつになっても健啖なのはいいが、みっともない。

 

せっかくだから、と京都牛なるものの試食に長い行列の後尾に並び、やっと自分の番が回ってきたと思ったら、どこからか外務省の8年先輩の元大使が、さっと現れ横入り!これもみっともないことこの上ない。順番を守ってほしい。小学生以下だ。タダ飯を食いなれてきた、特権階級だと勘違いしている元大使をレセプションに招待して、どれだけ京都市の目指す目的が達成されるのだろうか。

 

本物の舞妓さんも素敵だったが、京都の誇るさまざまな伝統文化をこれから支えていくのは誰だろうかと案じてしまう。僧侶は税制で優遇されている。京都大学はじめ、京都にあまたある大学の理系の先生は、企業からの支援があるかもしれない。お金が自由に使えるのは、非上場の創業者社長だろうか。ホリエモンコインチェックの社長さんが京都でお茶屋遊びしているとはとても思えないが。他人事ながら、誰が京都の伝統文化を支えるのだろう。

 

文化庁の京都移転が決まった際、京都市役所には「祝文化庁京都移転」という横断幕が下がったそうだ。1000年以上、時の権力者に寄り添ってきた京都。まさか文化庁が救世主の権力者と思っているはずはないですよね。     (了)